タイの夜を楽しむ方法おばはんに100バーツは渡せない -スティサンゴーゴーバー編-

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おばはんに100バーツは渡せない -スティサンゴーゴーバー編- - (06/06）

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2012-06-06 (15:37)

おばはんに100バーツは渡せない -スティサンゴーゴーバー編-

時間は23時を超えた。
スティサン「レインボー」には、この時間を狙った来たかのようにワラワラとタイ人が押し寄せてきた。
さきほどまで空席が目立っていた店内だったが、あっという間に繁忙店へと早変わり。
それに呼応するかのようにダンサーの数も増え、界隈ナンバーワンと呼ばれる「レインボー」の実力を見せつけてくれた。

「ソムタム」が提供されるまで30分も待たされたあげく、さほど美味しくもなかったけれど、女の子の質は抜群。
エロいタイ人がこぞってこの店へ足を運ぶ理由も分かるというもの。

そんな「レインボー」を後にし、次なるゴーゴーバーへと向かった。

スティサンで人気店といえば「レインボー」、「T-DED99」、「Chat」の３店が挙げられる。
じゃあ他の店はダメなのかと言われればそんなことはなくって、週末になると充分な客入りを見せている店も多い。

その中の一つが「For U（フォーユー）」。
以前、この店に一度だけ来たことがあるのだけど、そのときはびっくりするぐらいカワイイ子がいて、ほんとうにびっくりした。
今宵もまたびっくりしたいとの淡い期待もあり、この店をチョイスしたのだ。

入店してみると空席が３、４席しか空いていない。ほとんどがタイ人で埋め尽くされていて、ステージで踊っているダンサーはたったの３人。
見事、売れ残った残り福がステージでひょこひょこと踊っている。
「For U」もほとんどが４人テーブル席で構成されていて、一人で入店してもこのテーブル席へと通される。

席に座ったその時、突如としてどでかいおばはんが、私の隣へと腰を下ろした。
“腰を下ろした”なんていう生易しい言葉では物足らず、“デカイものが隣へ落ちてきた”と表現したほうが適切だろう。
そう表現しなければならないほどの衝撃がケツからひしひしと伝わってきたのである。

このおばはん、迷い込んで来たキ●ガイではなく「For U」のスタッフ。
私にあれこれとオススメをしようと画策し、隣へとやって来たのである。
隣に来てくれたのはいいが、ステージで踊っているのは、売れ残り女子３名だけである。
図体がデカく、きっといつもなら積極的に薦めてくるのであろうオッサン風のおばはんではあるが、ステージの上だけではなくフリーの女がたった３人しかいないこの状況ではさすがにそこまで積極的に薦めては来ない。

おばはんがあまりプッシュして来ないので、逆にこちらから質問してみた。

「今日は女の子が少ないの？」

「いやそうじゃない。上のカラオケに何人か行っているのだ」

忘れていたが、ここ「For U」の上階にはカラオケがあるらしい。
女の子の何人かが、カラオケに行っているので少なく見えると、オッサン風の彼女は言う。

ちなみに上階のカラオケ、見たことはないが1時間100バーツで楽しめると言う。
一度は行ってみたいが、まず間違いなくタイの曲しか入っていないだろうから歌うことは出来ず、酒を飲んでいるか、調子に乗って踊っているかの二者択一であろう。

隣のおばはんもどこかへいなくなったので、一人で飲んでいたところ客が帰ったからステージ上のダンサーが数名増えた。
その中に、顔はたいしてカワイイわけではないものの、どうしてか目を惹かれる女子を発見。

そそくさとステージに近付き雰囲気を確認したところ、ほぉほぉ、なかなかよろしいではございませんか。
いったん席へ戻ったところ、さきほどまで隣にいたオッサン風のおばはんがやって来た。

「あの子を呼んで欲しい」

「なら、100バーツ渡せ」

隣に呼ぶだけでそんな金が必要だったか。記憶が定かではないが、女の子に渡るのであればよろしいのでおばはんに渡したところ、さらに100バーツよこせと言う。

「なんでだ？」

「この100バーツは私のもので、追加の100バーツはあの子に渡す分だ」

このおばはん、デカイのは図体だけではなく態度もでかかった。
ただ女の子を呼ぶだけで100バーツをふんだくろうとしているのだから、たまげた。
先に渡した100バーツを、おばはんの手から奪回。
おばはんは突然の奪回に驚いたと共に、100バーツを失った憤怒がこみ上げてきたのか、鼻息を荒くしてすぐさまその場から去って行った。

表へ出るとすっかり雨は止んでいた。
でも星は見えなかった。

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